小児吃音外来の治療法は蝶形骨の動きを円滑にする事
吃音は、唇や舌や顎や呼吸器に問題があって
発症する構音障害ではありません。
従って、唇や舌や顎や呼吸器の使い方を
いくら工夫しても根本的な解決にはなりません。
吃音の治療法として、腹式呼吸、横隔膜トレーニング、
発語トレーニングなどは全く意味がありません。
吃音というのは、その人の精神状態が引き起こす現象です。
ですので、身体的トレーニングは直接的に
吃音克服に繋がる事はありません。
吃音は、心理的な要素が強く影響しています。
従って「絶対にどもらない」という自信を持つ事が大切です。
吃音者は、他人と会話をする際、条件反射的に
「自分はどもるのではないか」と不安になり、
そのためにどもってしまうのです。
どもる事に対する不安、恐怖、罪悪感、
聞き手への敵意などを軽減させ、
「自分はどもるのではないか」
という条件反射をなくし、
「私は絶対にどもらない」
という確固たる自信を持つ事ができれば、
吃音は改善すると思います。
発音には、歯、舌、唇の働きが必要になります。
言葉の60%近くは、
前歯や上顎に舌を接して発しています。
舌は口腔の中で一番大きな部分を占めており、
舌神経、舌下神経、舌咽神経の三つの脳神経に支配されています。
発声の時に緊張すると、
必ず舌に余計な力が加わってしまいます。
舌が緊張するから思うように話せないというのが、
吃音の本質ではないでしょうか。
母音は、歯、舌に関係なく、唇の働きで発音できます。
これは非常に重要な点であり、
ここに吃音の改善に繋がるヒントが隠されています。
舌と唇が正常な機能を保ち、
適切な運動をしている限り、
吃音の症状は現れません。
けれども、話す事に対する不安から極度に緊張すると、
その緊張が舌と唇の動きを制限し、
発語に乱れが生じる事になります。
従って、舌と唇に不要な力が入らないように心掛ければ、
吃音の症状は現れない事になります。
舌と唇の力の抑制こそが吃音の改善と克服の鍵となります。
最も有効なのは、口だけでなく鼻腔も含めて発声する事です。
鼻腔に呼吸が通ると、
鼻腔の一部となっている蝶形骨の動きが円滑になります。
発声時に鼻に息が通り、
蝶形骨の動きのバランスが良くなると、
脳の活性度が適切になり、
どもらずに話ができるようになります。